株価や財務情報などのJPX公式データをPythonなどで取得できる!「J-Quants API」の概要とプラン別の取得可能なデータまとめ

Pythonで株式投資関連のデータを取得しようと思った時に、どこからデータを入手するかで悩んだ経験はありませんか?

pandas_datareaderでyahooやstooqなどから取得したり、Webサイトからスクレイピングしたり、といった方法はありますが、どれも一長一短あります。

そんなあなたに、2023年以降の新たな選択肢として「J-Quants API」をオススメしたいと思います。こちらはJPX(日本取引所)公式のデータを取得できるサービスです。

本記事では「J-Quants API」の概要とプランごとの違い、目的別のおすすめプランなどについてまとめていきます。

目次

J-Quants API とは?

J-Quants APIは、JPXグループの会社である「JPX総研」が提供しているWebサービスです。

【J-Quants API 公式サイト】
https://jpx-jquants.com/

ユーザー登録すると、APIという仕組みを利用して、Pythonなどのプログラム上から株価や財務情報といったJPX公式のデータを取得できるようになっています。

自分で個別にデータをダウンロードせずに、プログラムからデータが取れるようになるので、データ分析やスクリーニングの自動化なども可能になります。

実際に「J-Quants API」に登録する手順と、株価データ取得からローソク足チャート表示までのPythonサンプルコードを掲載した以下の記事がありますので、興味のある方はこちらをやってみてください。「J-Quants API」利用のイメージが沸くと思います。

プラン別の比較

J-Quants APIのプランは、本記事執筆時点で4種類。無料のFreeプランと、有料のライト/スタンダード/プレミアムになります。

J-Quants API では株価だけでなく財務情報など様々なデータを取得することができますが、プランごとに取得可能なデータが異なります。

本記事ではプランに取得できるデータの違いなどについてまとめてみました。

※最新のプランについては、J-Quants APIの公式サイトでもご確認ください
https://jpx-jquants.com/

以下、ざっくりと表にまとめました。

プラン名料金取得可能なデータデータ期間
Free無料・上場銘柄一覧
・株価四本値
・財務情報
・決算発表予定日
・取引カレンダー
過去2年分
(ただし12週遅延)
ライトプラン1,650円/月(Freeプランに加えて・・)
・投資部門別情報
・TOPIX四本値
過去5年分
スタンダードプラン3,300円/月(ライトプランに加えて・・)
・指数四本値
・オプション四本値
・信用取引週末残高
・業種別空売り比率
過去10年分
プレミアムプラン16,500円/月(スタンダードプランに加えて・・)
・前場/後場別の株価四本値
・売買内訳データ
・株価四本値(前場終了時に取得可)
・配当金情報
・財務諸表(BS/PL)
提供期間すべて

各プランについて、以下でもう少し詳しく解説します。

Freeプラン(無料)

Freeプランは月額料金無料で、以下のデータを過去2年分取得できます。

上場銘柄一覧

銘柄名や市場、業種など、銘柄に関する情報が取得できます。特定の銘柄だけでなく、指定日付の全銘柄情報をまとめて取得することも可能です。

株価四本値

日足のOHLCVデータを取得できます。調整前/調整後の両方のOHLCVを取得可能です。また調整時の係数(分割や併合の比率)や、日通しストップ高/ストップ安のフラグなども用意されています。

財務情報

四半期の決算短信サマリーや、各種修正情報などが取得できます。

決算発表予定日

翌日に決算発表予定の銘柄一覧が取得できます。
(※本記事執筆時点では3月期・9月期決算の企業のみ対応)

取引カレンダー

東証の営業日一覧を取得できます。休日判定もできるので、直近N営業日のデータを取得したい場合などに併用すると便利です。

ただしFreeプランの場合、データは「12週前以降から過去2年分のみ」という制限があります。例えば6/30にデータを取得した場合、データ内の最新日は3月末ごろになります。

当日データや直近データが取得できないため、例えば日々のスクリーニングを行いたい場合には向いていません。

ライトプラン(1,650円/月)

ライトプランではFreeプランに加えて、以下のデータが取得可能になります。取得可能な期間も5年に拡張されます。

またライトプラン以上ではデータの遅延が無く、当日データも取得可能です。(当日データは大引けから数時間後に提供されているようです)

TOPIX四本値

指数の日足データのうち、TOPIXを取得できるようになります。

投資部門別情報

以下のJPX公式ページで公開されている、「投資部門別売買状況(株式・金額)」を取得できます。

(投資部門別売買状況)
https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/investor-type/index.html

スタンダードプラン(3,300円/月)

ライトプランに加えて、以下のデータが取得可能になります。取得可能な期間も10年に拡張されます。

指数四本値

TOPIX以外にも「TOPIX Core30」「東証グロース市場250指数(旧マザーズ指数)」などの指数四本値データが取得できます。

(取得可能なデータ一覧)
https://jpx.gitbook.io/j-quants-ja/api-reference/indices/indexcodes

オプション四本値

日経225オプションに関する各種情報が取得できます。

信用取引週末残高

以下のJPX公式ページで公開されている、銘柄別の信用取引残高がデータで取得できます。

(銘柄別信用取引週末残高)
https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/margin/05.html

業種別空売り比率

以下のJPX公式ページで公開されている、業種別の空売り比率(売買代金の集計)がデータで取得できます。

(空売り 日次集計)
https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/short-selling/index.html

プレミアムプラン(16,500円/月)

スタンダードプランに加えて、以下のデータが取得可能になります。取得可能な期間も制限が無く、J-Quants APIが提供しているすべての期間を取得できるようになります。

前場/後場の四本値

株価四本値データについて、前場/後場別のOHLCVデータも取得できるようになります。

前場の四本値(前場終了時点)

前場終了の段階で、当日の前場株価データを取得できるようになります。

売買内訳データ

銘柄別の日次売買代金・売買高について、信用取引や空売りなどの項目別内訳データを取得できます。

財務諸表(BS/PL)

各銘柄の四半期ごとのBS(貸借対照表)とPL(損益計算書)の情報を取得できます。

配当金情報

各銘柄の配当金(予想/決定)に関する情報を取得できます。

プランごとの比較は以上です。もう少し細かく見ていくと、同じデータの中でも一定プラン以上でないと取得できない項目もあったりします。詳細は以下のAPI仕様をご覧ください。

API仕様書(公式ページ)
https://jpx.gitbook.io/j-quants-ja/api-reference

目的別のおすすめプランは?

J-Quants APIは目的に応じて必要なプランも変わってきます。

以下、目的別のおすすめプランをいくつかまとめてみました。

とりあえずJ-Quants APIを試してみたい方はFreeプラン

まずはPythonでどんなコードを書けばJ-QuantsAPIからどんなデータを取得できるのか?などを試してみたい場合は、無料のFreeプランからはじめてみてください。

最新のデータは取得できませんが、株価データなどは有料プランと同じ形式で手に入りますので、Freeプランで上手く動いたPythonプログラムなら、有料プランにアップグレードしても問題なく動くはずです。

毎日スクリーニングなど最新データが必要ならライトプラン以上

毎日の銘柄スクリーニングをPythonでやりたいなら、最新データが取得できるライトプラン以上になります。

スクリーニングであれば過去データはあまり必要ないので、ライトプランで十分かもしれません。

「信用残」などが取得したいならスタンダードプラン以上

「信用取引週末残高(信用残)」や「業種別空売り比率」などを日々のトレードに活用している人も多いと思いますが、スタンダードプランであればこれらをデータとして取得可能です。

スクリーニングやバックテストに組み込むことで、より高度な分析ができるようになるかもしれません。

バックテストがやりたいなら過去年数に応じたプラン

売買ルールのバックテストをPythonでやりたい方は、どのくらいの過去データが必要かによって最適なプランが決まります。

【free】2年(ただし12週遅延)
【ライト】5年
【スタンダード】10年
【プレミアム】無制限

おわりに

以上、J-Quants API のプランを比較してみました。

有料プランについては、多くの方はひとまず「ライト」または「スタンダード」で十分かなと思います。

まずはFreeプランに登録して、どんなデータが取得できるのか確認してから、有料プランへのアップグレードを検討してみてください。

以下、冒頭でも紹介しましたが、J-Quants APIの登録手順から株価データ取得やローソク足チャートの表示などを行うPythonコードの書き方をまとめた記事になります。興味のある方は参考にどうぞ。

また、同じような内容を動画で学びたい方は、以下にもご登録ください。

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