TradingViewのチャートには描画ツールで水平ラインを引くことができますが、PineScriptで任意の価格に水平ラインを引くインジケーターも作ることができます。
本記事では、最もシンプルな水平ライン表示用の関数であるhlineの概要とパラメータについてまとめました。
hlineで固定価格の水平ラインを表示
hlineは、指定した価格に水平ラインを引いてくれる関数です。以下は「2600(円)」に水平ラインを引くサンプルコードです。
//@version=6
indicator("TTO_PineSample_hline", overlay=true)
hline(2600, title="ライン1")
初期設定では以下のように、指定した価格に白色のダッシュ線で水平ラインが引かれます。
利用可能なパラメータまとめ
hline関数で利用可能なパラメータには、以下のようなものがあります。
ラインのタイトル(title)
インジケーター設定画面などで表示される各hlineの名前を設定できます。ここまで紹介したサンプルコードでは「title=”ライン1”」としていたので、設定画面では以下のような表示になります。
ラインのスタイル、色、太さを指定(style, color, linewidth)
水平ラインのスタイルや色、太さを指定したい場合は、style/color/linewidthが使えます。
styleは、以下の3つから選択可能。
・hline.style_solid(実線)
・hline.style_dotted(ドット線)
・hline.style_dashed(ダッシュ線)
以下は、「黄色で太さ3の実線」に設定した例です。
//@version=6
indicator("TTO_PineSample_hline", overlay=true)
hline(2600, title="ライン1", linestyle=hline.style_solid, color=color.yellow, linewidth=3)
editable
初期値はtrueですが、falseにするとインジケーターのパラメータ画面でスタイル変更ができないように制御できます。
display
初期値はdisplay.allですが、display.noneにすることで非表示にできます。(インプットパラメータなどで制御したい時に利用)
他のライン表示系関数との違い
hline関数はライン表示系関数の中で最もシンプルな関数です。
最大の特徴は「固定の価格しか使えない」という点。例えば「常に直近N日の最安値を計算してその価格に水平ラインを引きたい」ということは、hlineでは不可能です。(こういったケースはline関数を利用)
一方でhline関数は以下のようにインジケーター設定画面で価格やラインスタイルなどを変更できるので、決まった価格を設定したい場合にはチャートの描画ツールで1つ1つラインを引くより便利です。
おわりに
以上、hline関数の表示スタイルや設定可能なパラメータについて紹介しました。
チャートに水平ラインを引くための最も簡単な関数なので、まずはこれを使ってみてください。
また自動的に価格が変わるような水平ラインを引きたい場合は、以下のline関数についてまとめた記事も参考にどうぞ。